帰国時期の選択
 学年で考えると、中1と高1の期間は極力避けるべきです。ほとんどの受け入れ校が、帰国後2年以内を制限としているので、中1や高1で帰国すると、次の受験の時期にはすでに帰国子女としての資格を失っていることになります。しかも、編入はほとんどの学校で「欠員のあるときのみ」なので、帰国時に希望の学校に行けるとも限りません。

 1年の間での帰国の時期は、すべてのことを考慮に入れれば、学年の変わる冬(
1月〜3月)が最適であることは言うまでもありません。できるならば、一時帰国で受験だけして、入学の前に帰国したいものです。編入枠も、学年の途中に比べれば募集人数が多い可能性もあります。
 
夏帰国は、特に受験生の場合、もっとも大切な勉強の期間(夏休み)を引越しや転校に気を使い無駄にするばかりではなく、夏休み明けの学校はただでさえ受験ムードで緊張感のある中に、転校生として入らなければならないことを考えると、子供たちの精神的な面では避けたい時期だといえます。
 しかし、だからといって帰国時期を自分の思うようにできるご家庭はめずらしく、むしろ突然会社から帰国を言い渡されるパターンが多いようです。そんな時のためにも、準備は早め早めにしておきたいものです。

現地校で6年生まで終えていなくとも、日本の私立中学に入学できる資格はある?
 
解答:○/日本では中学までは義務教育なので、学齢さえ達していれば大丈夫。

現地校で9年生まで終えるか、もしくは帰国して中学を卒業しなければ、いかなる高校の入学資格もない?
 
解答:△/文部省からの通達でこれは多少緩和されてきている。今までは、現地で9年生まで終えていない場合は、とにかく高校入学の直前にでも帰国して公立中学に編入し、卒業証書をもらう必要があったが、昨年あたりからこれを必要としない学校が出てきた(桐蔭学園高校など)。ただ、まだこのような高校は少ないので、必ず各学校に問い合わせてみよう。

公立高校の入試科目は、帰国子女でも英数国理社の5教科である?
 
解答:×/公立高校でも、帰国子女は3教科がほとんど。東京では都立国際高校が作文と面接のみで、それ以外の高校は3教科。国立は5教科の高校が多いので注意。

帰国子女入試でも、推薦制度がある学校もある?
 
解答:○/帰国子女の推薦の場合、推薦書を書いてもらうのは通例現地校の校長先生であるが、塾からの推薦の場合もある。推薦書の書式を定めている学校もあるので注意。推薦制度でもっとも注意すべきことは、原則的にその学校が第一志望でなくてはならない(受かったら入学しなければならない)ということだ。従って、他に第一志望がある場合は推薦制度は利用できないと思った方がよい。
 
近年では自己推薦制度というものを取り入れている学校もある。一般受験では早稲田系列の学校が先んじてこれを取り入れているが、帰国子女対象では桐蔭学園高校がそうである。自己推薦制度というのはその名の通り自分で自分を推薦する方法である。桐蔭学園の場合、3年以上海外にいたこと、TOEFL440点以上を取得していること、などいくつか条件がそろうと自己推薦できるしくみになっている。少子化の折り、生徒確保対策としてこういった推薦制度を取り入れる学校はこれからも増えていくであろう。

ほとんどの大学で、TOEFLSATの成績が必要である?
 
解答:×/TOEFLSATなどの統一試験の成績提出を義務づけている大学は、帰国子女受け入れ校の内約10%にすぎない(『統一試験の成績提出を義務付けている大学』参照)。その他の受け入れ大学のほとんどが「受けていれば提出が望ましい」としていて、特に義務づけてはいない。立教大学や青山大学のように、最近になって提出の義務を廃止した学校もある。だからそれらの点数が悪いからといってそう落胆する必要はない。
 
しかし、統一試験の成績を義務づけている大学の中に、上位の人気のある大学が多く含まれているので、やはりこれらの点はしっかり取っておきたいところだ(早稲田大学、慶応大学、国際基督教大学、上智大学、東京女子大学、明治大学、学習院大学経済学部など)。これらの大学の中には、TOEFLの点数の最低点を定めている大学もあるので注意(上智大学、武蔵大学、学習院大学経済学部など)(上智大学はSATの最低点も定めている)。

日本の大学は、現地校を卒業しなければ帰国子女としての資格はない?
 解答:×/ほとんどの国立や、一部の私立は、現地の高校を卒業しなければ帰国子女の資格はありません。しかし、そうでなくても帰国子女として認められる大学は数多くあります。(『現地校を卒業しなければならない大学』参照)
AO入試とは
 解答: そもそもAO入試のAOとは Admission Office (入試事務局)の頭文字を取って作られた言葉です。4年程前からアドミッションポリシーという言葉が流行っていますが、各大学も少子化の流れを受けてより柔軟に入試制度を考えようと始められた入試制度です。アドミッションポリシーとは入学に対し、学校側が「どのような学生を必要としているのか」をある程度明確にしたものと考えていただけるとわかりやすいものです。他の言い方をすると、入試の筆記試験のみで合否を判定するのではなく、受験する学生が受け入れる大学の考え方などに適合しているかどうかを、別の角度から考えて入学を許可する方法と言ってもいいでしょう。AO入試の実施方法は各大学により大きく異なります。面接を実施したり、かんたんな筆記試験を行うなど、選抜に多くの時間が割かれます。このAO入試を利用するためには「明確な志望動機」・「過去の学生生活における実績」の2点が大きく物を言います。
 さらに、最近では筑波大学を始めとする大学で、AC入試と呼ばれる制度も始められています。このACとは Admission Center (入試センター)の頭文字を取って作られた言葉です。AC入試もAO入試の一部として捉える風潮もありますが、AC入試の特徴は「問題解決能力」を問われるという点が大きく異なります。入試の際に自分で何かテーマを1つ見つけて、それに関して研究・調査を行う、小論文を書くなどAO入試とは異なる選抜方法を採ります。入学したい学部のテーマに沿う問題をきちんと処理できる能力が備わっているかどうかを合否の判断材料とします。
 いずれにしてもAO入試・AC入試ともに、今までの試験制度では入学を許可できない学生で、アドミッションポリシーに適合するものを積極的に入学させようとしている大学側の姿勢と思って差し支えありません。この制度を利用できる人は早い段階で受験準備をするといいでしょう。明らかに学生側に有利な入試制度です。
「AO入試のおおまかな流れ」
 AO入試に関しては入試手続きに時間を要する関係で、一般の入試日程よりも早く始められます。一般的な形は次の通りです。
 募集(9月〜10月)入試(10月〜11月)合否発表(11月)となります。もし、この記事をご覧になって是非利用したいと思う方がおいででしたらすぐに動いて下さい。各大学によって募集人員・実施時期・選抜方法などが異なります。各大学の入試センターに問い合わせるか、次の早見表を参照して下さい。


帰国前の準備
@帰国後制限期間のチェック
  編入の場合、学校によっては帰国後の制限期間が非常に短かったり、まだ海外にいるうちに出願しないと出願資格がなくなってしまう学校などもあるので気を付けましょう。特に気を付けなければいけないのは、出願期間以前に必ず一度学校を訪問して担当の先生と会うことを義務づけている学校がかなりあるので、早めに電話ででも各学校の入試担当の先生とコンタクトを取っておくことです。

A現地にいるうちに揃えておきたい書類
  各私立高校によって大分異なりますが、多くは現地校からの成績証明書・在学証明書を提出させます。これらは現地校に願い出れば作成してもらえます。が、慶応湘南藤沢のように、学校側が指定する用紙に直接現地校で記入してもらわなければならない場合もあるので、志望校を早めに決めて、とにかく各学校の募集要項を早めに取り寄せておきましょう。成績証明書、在学証明書は、受験する学校の数だけ必要になるので、多めにもらっておくのが賢明でしょう。

B帰国後に通う塾について
 
特に夏帰国であれば、帰ってすぐに夏期講習に通うのは常識です。しかし、帰国してから塾を探していては申し込みに間に合わなくなる可能性もあります。ご存知のように、当塾では日本全国の当塾と同じカリキュラムで授業を行う塾とタイアップしています。ぜひ、ご相談下さい。